「体重を減らせばダイエットは成功」
40歳を過ぎたころから、さすがにそういうわけにいかないと思っていました。
というか、「食べないだけ」では減らないし、減ってもすぐ戻ってしまうんです。
なので、今年初めにダイエットをはじめる際には管理栄養士さんに相談することにしました。すると…。
「タンパク質をしっかり摂ってくださいね。炭水化物も極端に減らさないでください」
え?ダイエット中なのに、しっかり食べろって?しかも炭水化物も?
理由を聞いてみると、「炭水化物を取らずに運動すると、筋肉がエネルギー源として使われてしまい、筋肉量が減ってしまうから」とのこと。
そこから色々と調べてみると、「やせ過ぎ」には大きな落とし穴があることがわかりました。特に、筋肉や骨密度を犠牲にした減量は、老後の生活の質を大きく下げる原因になるというのです。
母の椎間板ヘルニアの件もあり、「この年齢からのダイエットはただ痩せるだけじゃだめだ」「これは他人事じゃない」と思って、同世代の皆さんにもお伝えしたくなりました。
筋肉量低下が老後にもたらすリスクを調べてみた
管理栄養士さんに言われて気になったので、まず筋肉量が減ることのリスクについて調べてみました。
75歳以上の後期高齢者が要介護状態となる原因に、認知症の前段階である軽度認知障害(MCI)や転倒、サルコペニア※1、尿失禁らと並んでフレイルがあげられます。フレイルとフレイルの原因でもあるサルコペニアは低栄養との関連が強くあります
とありました。
「サルコペニア」とは「筋力が落ち、全身の筋肉低下が起こる状態のこと。サルコ(筋肉)とぺニア(減少)というギリシャ語を組み合わせた造語」とのこと。
「サルコペニアが進行すると日常の動作が難しくなり「フレイル」と呼ばれる心身衰弱状態を引き起こします。フレイルになると、要介護状態になるリスクが高くなります」。
なるほど。つまり筋肉量が落ちると、体を支える力が低下して、転倒や骨折のリスクが高まるだけでなく、最終的には要介護状態になる可能性まで出てくるということなんです。
私の母のケース・・・
うちの母も、実は若い頃に体型補正コルセットを長年愛用していたんです。当時は「美しいスタイルのため」と思っていたそうですが、結果的にそれが原因で腹筋や背筋が弱ってしまいました。
年を取ってからは腰を支える筋肉が不足し、最終的には椎間板ヘルニアで歩けなくなるほどに…。
まあ、もちろんコルセットだけが原因ではないでしょうが、まったく影響していなかったとはいえない…と思ってしまいます。
骨密度低下についても調べてみた
筋肉の次に気になったのが、骨密度のこと。「やせ過ぎ」が骨にも影響するという話を聞いたので、詳しく調べてみました。
日本人の平均寿命が伸びている中で骨粗しょう症になっている中高年者が年々増加しています」「特に女性は50歳ごろから発症しやすくなり、80歳になると半数以上の人が骨粗しょう症であるといわれ、男性は70歳を過ぎると目立ってきます
50歳頃から!私たち世代、まさに要注意年齢ですね。
さらに調べてみると、
高齢になると、食の好みが変わったり、小食になったりしてタンパク質の摂取量は不足する傾向があります。タンパク質の摂取量が少ないと骨密度低下を助長しますので、意識して摂取しましょう
ここでもタンパク質!管理栄養士さんが「タンパク質をしっかり摂って」と言っていた意味がようやく理解できました。筋肉だけでなく、骨のためにもタンパク質が必要だったんですね。
過度な食事制限の危険性
特に気になったのが、やせ過ぎと骨密度の関係。骨粗しょう症の情報サイトには「骨のためにはやせすぎにご注意」という記事もありました。
骨粗しょう症とは、骨の密度が低下することで、骨折しやすくなってしまう病気です」「特にご高齢の方にとって、骨折は寝たきり・要介護などに直結しかねない問題です
骨折が寝たきりに直結…。これは本当に深刻な問題ですね。
フレイルという概念
調べていく中で、「フレイル」という概念についても詳しく知ることができました。
フレイルは大きく3つの種類に分かれます。一つ目が「身体的フレイル」です。運動器の障害で移動機能が低下したり(ロコモティブシンドローム)、筋肉が衰えたり(サルコペニア)するなどが代表的な例です
フレイルとは、加齢に伴う予備能力の低下のため、ストレスに対する回復力が低下した状態を指します。サルコペニアよりも広い範囲を含む概念で、身体的な問題のほか、認知機能の衰えなどの精神・心理的問題、独居や経済的困窮などの社会的問題などから成り、要介護状態の前段階と位置づけられています
なるほど。サルコペニアは筋肉の減少そのものを指し、フレイルはもっと広い概念で、要介護状態の手前の状態ということなんですね。
でも希望的なこともわかりました。
フレイルの状態に、家族や医療者が早く気付き対応することができれば、フレイルの状態から健常に近い状態へ改善したり、要介護状態に至る可能性を減らせる可能性があります
早めに気づいて対処すれば、改善できるということですね。
母の件を考えると、この部分、とても大切です…。
健康的にやせるために必要なことを整理してみた
これらの情報を整理して、管理栄養士さんのアドバイスと合わせて考えてみると、健康的にやせるためのポイントが見えてきました。
タンパク質の重要性

たんぱく質を含む食品をとるように意識します。たんぱく質の摂取量が少なくなると筋肉量が減少し、加齢とともに筋たんぱくの合成が遅くなるため、高齢者はより一層たんぱく質を含む食品をとることが大切です
具体的には:
- 肉、魚、卵、大豆製品を毎食取り入れる
- 年齢を重ねるほど、意識的に摂取量を増やす

適度な炭水化物も必要
管理栄養士さんに「極端に減らさないで」と言われた理由もわかりました。
筋肉の分解を防ぐために、エネルギー源として必要量は確保しないといけないんですね。
骨を強化する栄養素

カルシウム、ビタミンD、ビタミンKなど、骨の形成に役立つ栄養素を積極的に摂りましょう。カルシウムとビタミンDを同時に摂ることで、腸管でのカルシウム吸収率がよくなります
具体的には:
- 乳製品、小魚、小松菜などでカルシウム
- 魚、きのこ類でビタミンD
- 日光浴も忘れずに
運動も大切
骨粗しょう症の発病には、食事や運動などの長年の習慣も深く関わっているそうです。
そのため、薬物治療とともに食事療法や運動療法も並行して行い、骨強度を高めていくことが重要とのこと。
筋トレと有酸素運動の両方が、筋肉量維持と骨強度アップには必要のようです。
ダイエット中の私が感じたこと
これらのことを調べて本当に勉強になりました。
基本的に「ダイエット=体重を減らす」としか考えていませんでしたが、実際は「健康的に体脂肪を減らしながら、筋肉と骨密度を維持する」ことが重要なんですよね。
特に私たち50代~60代は、まさに骨密度が下がり始める年代。そしてサルコペニアが始まる可能性も高い年代。だからこそ、ダイエットする時も気をつけなければいけないポイントがたくさんあることがわかりました。
母の経験と重ね合わせて
うちの母の場合、体型補正コルセットで筋肉が衰えたという特殊な事情もありましたが、根本的には「筋肉量の低下が腰の問題を引き起こした」という構図は同じです。
もし母が若い頃から筋肉量の維持を意識していたら、もしかすると椎間板ヘルニアにまで至らなかったかもしれません。
体重計の数字だけでは測れない「体の質」
やせることがゴールなのではなく、健康的に長く動ける体をつくることがゴールです。極端な食事制限や急激な減量は、一時的に体重を減らせても、筋肉や骨密度を犠牲にしてしまう可能性があります。
「まだ大丈夫」と思っている今こそ
「女性は50歳ごろから発症しやすくなり」という骨粗しょう症の情報を見て、「あ、私たちまさに要注意世代なんだ」と実感しました。
まだ自覚症状がない今だからこそ、筋肉量や骨密度のことを考えた生活習慣を始めるべきなんでしょうね。
食べながらやせる大切さ
管理栄養士さんのアドバイス通り、必要な栄養素をしっかり摂りながら、運動もしながら、健康的にダイエットを続けていこうと思います。
急がば回れ、ということわざがありますが、まさにダイエットもそうですね。短期間で急激にやせるより、時間をかけても筋肉と骨密度を維持しながらやせる方が、長い目で見たら絶対に良いはずです。
私が取り組んでいること
現在、管理栄養士さんのアドバイスに従って、以下のことを心がけています:
食事面
- 1日3食食べる
- 毎食、タンパク質を意識的に摂取(肉・魚・卵・豆腐など)
- 炭水化物も適量は維持(全抜きはしない)
- カルシウムとビタミンDを意識した食材選び
- 極端な食事制限はしない
運動面
- 週2-3回の筋トレ(自宅でできる簡単なものから)
- 週3-4回のウォーキング(出勤でのウォーキングも含めています)
- 日光浴も兼ねた屋外での活動(ただし熱中症に注意)
生活習慣
- 体重だけでなく、体脂肪率も測定・記録
- 筋肉量の変化も意識
- 定期的な健康チェック
おわりに:体重計の数字より大切なこと
私たち50代・60代は、将来の要介護リスクを考えても、筋肉量と骨密度を維持することがとても重要です。「将来の身体機能障害との関連が強い「フレイル」と「サルコペニア」の予防の重要性が注目されています」という情報も、決して他人事ではありません。
母の椎間板ヘルニアの経験、そして自分のダイエットを通じて、「体重計の数字」よりも「体の中身」を意識する大切さを痛感しています。
同世代の皆さんも、もしダイエットを考えているなら、ぜひ「健康的にやせる」ことを意識してみてください。急がず焦らず、筋肉と骨密度を守りながら、長期的に健康な体を作っていきましょう。
私もまだダイエット継続中ですが、今度は「数字」ではなく「質」を重視して、頑張ってみます。一緒に、老後も元気に動ける体を目指しましょう!
実体験と調べた情報を組み合わせて、これからも同世代の皆さんに役立つ情報をお伝えしていきます。
参考にしたサイト:




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